介助方法_相手の力の引き出し方

依存が強い高齢者のイラスト

 日常場面で、ご家族や入所者様に介助をされている方で、「ここまで介助をしなくても実は本当はもっと自分で動けるんじゃないのかな…」と感じた事のある方はいますか?

そんな方の中で、相手へ余分に介助をしてしまっている方はいませんか?

 本日は、出来るだけ長くその方の残った力を活かすこと・また介助者の負担を減らす為に、どのように相手の力を引き出していくかを考えていきたいと思います。

まずはどれくらい動けるのかを確認する

 介助を行う前に、まずは相手がどれくらい自力で動けるのかを確認します。それでは、流れに沿って説明していきます。

Ⅰ:普段から行っている動きを自力でやってもらってみる

 準備として、相手の体をいつでもしっかり支えられるように、介助者側(自分)は相手の体や肩、腰などから支えられる状態にしておきます。

そして、普段から行っている動きを自分の力でやってみてもらいます。この時、難しそうであれば、動きの一部だけでもやってみてもらえると良いと思います。

 例えば、起き上がる動きを想像した時に、起き上がる側に首を向ける→寝返る→起き上がる

 という順で起き上がる方は多いと思いますが、この首を動かす動きや寝返る動きなど小さな動きから自分の力でやってみてもらいます。

Ⅱ:手伝った状態で自力で動いてもらってみる

 Ⅰで、支えなしでは動いてもらう事が難しい様子であれば、相手が動けそうな位に体を支えてあげます。(体の重みを取ってあげるイメージ)

ここで、支える力は相手が自分で動き出せそうなぐらいの力に留めましょう。

 相手が息切れをしていたり、辛そうな表情をしている様子があれば無理に行わないようにして下さい。自力でやってもらうには負担が多い可能性があります。

相手の動きの妨げにならないよう注意する

 体をどこかへ動かそうとしている時には、体の上下や左右への動きが伴います。その動きを邪魔しないように、介助者側(自分)の立ち位置に気をつけましょう。

 具体的には、起き上がる時や立ちあがる時に相手の目の前に近寄り過ぎない・歩こうとしている方のそばに寄り過ぎないなどがあります。

 相手の動きが妨げられ、元々出来ているはずの動きが出来にくくなる場合があります。

 これの分かりやすい例を上げると、例えば体の横に壁を付けたままの状態で歩いたり、座って膝を壁に当てた状態で立ち上がったりすると、重心移動を妨げられて動きにくい感じがすると思います。(多分ほとんど動けません)

環境を少し変えてみる

 普段から、動く時に何か使っている手すりや家具はありますか?もしあって、そしてそれが使いにくそうであれば思いきって場所を少し変えてみるのは良いかもしれません。

 その方の心身の状態(姿勢や痛みや踏ん張れる力の左右左など)によって、力の入りやすい・掴まりやすい位置は異なります。

 手すりや家具以外にも、歩行器や杖等の移動道具にも、同様に使いやすい位置や高さがあります。

 ご本人の意見を参考に、少しそれらの位置を変えてみましょう。

 具体的な例を2つ程挙げます。

1つ目の例:ベッドから立ち座りを行う際の手すりの位置

 例えば、普段は右手で持っている手すりや家具を、左側や前側に移動してみます。

 猫背が強い方であれば、前に手すりをおいて両手で持つと立ち上がりやすくなる方が多いです。

 そして左足の方が踏ん張りが利く方であれば左手で手すりを持った方が立ちやすくなる方もいます。

2つ目の例:歩くための道具(歩行器)の高さ

 姿勢が猫背になりやすい方であれば、歩行器を高くしたり、体と歩行器の距離を近づけてみると体が起こしやすくなり姿勢がよくなる場合があります。(筋力や体の柔軟性により、良くならない方もいます。)

 その他、姿勢は変える事が難しい状況でも、歩行器の高さを低くすることで、歩行器と体が少し近づき体重がかけやすくなる方もいます。

その他注意点

 本日は、相手の力の引き出し方について、実際に私が患者様と接する時に行っていたやり事を順に書かせて頂きました。

 まずは相手がきつくない範囲でどれくらいの力が出せるのかを確認し、それが厳しそうであれば、少し手伝ってみたり、手すりや家具(しっかりしたローテーブル等)の位置を変更してみるなどの環境作りをします。

 注意点は、安全第一に、相手や介助者共に無理がない範囲で行う事です。

 また、一人で試す前に、他のご家族様や普段関わっているリハビリや介護スタッフさんに相談してみるとより安心かと思います。

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