介護お役立ちコラム【毎週金曜更新】

【管理栄養士執筆】リンは不足よりも過剰摂取に注意が必要

【管理栄養士執筆】リンは不足よりも過剰摂取に注意が必要

今回は「リン」についてのお話です。

リンの基本について

リンの基本について

リンはカルシウムと一緒に骨や歯を作ったり、エネルギーを作り出したりするのに必要な栄養素です。

リンは様々な食品に含まれているため不足の心配はありません。

むしろ透析を受けられている方だけでなく健康な方にとっても過剰摂取が問題視されている栄養素なのです。

リンとカルシウムは血液中でバランスを保って存在しています。

しかし、リンの摂りすぎにより血液中のリン濃度が上昇すると骨からカルシウムが溶け出して骨のカルシウム量が減ってしまいます。

つまり、高リン血症は骨をもろくするのです。

また、リンはカルシウムと結合して血管に蓄積し、動脈硬化などの原因となることもあります

さらに腎機能が低下することで余分なリンを排出できなくなり、体内にリンが過剰にたまります。

1日のリンの摂取量の平均値の注意点と目安量

健康な方の1日当たりのリン摂取量は全国平均で1007mg、男性平均1079mg、女性平均942mgとなっています(国民健康・栄養調査(令和元年))。

健康な方を対象とした「食事摂取基準」では成人男性で1000mg、成人女性で800mgが目安量とされています。

この数字を見る限り過剰摂取と思えないかもしれません。

しかし、現時点では一部の加工食品を除き食品添加物として使用されているリンが栄養計算に反映されていないのです。

つまり加工食品ばかり摂っているとリンの過剰摂取につながるということです。

透析を受けられている方のリンの目安量

では、肝心の透析を受けられている方のリンのお話をしましょう。

「透析患者の食事摂取基準」ではたんぱく質(g)×15mg以下とされています。

つまりたんぱく質60gの方であればリンは900mgということになります。

リンとタンパク質の深〜い関係

さて、ここで急にたんぱく質が出てきましたね。

実はリンとたんぱく質には深い関係があるのです。

肉、魚などたんぱく質の豊富な食品にリンが多く含まれる傾向があるのです。

また、冒頭でも触れたようにリンは骨の材料になっているので骨ごと食べるしらす干しなどの魚にはより多く含まれることになります。

他にはレバーなどの内臓類、卵類、乳製品に多く含まれます。

植物性食品で言えば精製度の低い玄米などの穀類そばにも多く含まれています。

先ほどの加工食品に話を戻すと肉加工食品(ハム、ソーセージ、ウインナー、ベーコンなど)、水産加工食品(魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、さつま揚げなど)、インスタント食品、レトルト食品、スナック菓子、清涼飲料といったものが当てはまります。

リンの過剰摂取を防ぐためにできること

リンの過剰摂取を防ぐためにできること

ゆでこぼし技は使えない!リンを含む食品自体を減らす

前回のカリウムでは「ゆでこぼし」という方法でカリウムの摂取量をコントロールできるとお話しましたが、リンに関してはそのような方法が通用しません。

食品を水にさらしたり、ゆでたりしてもリンを減らすことはできません。

つまり、リンを含む食品自体を減らすことが必要になってくるのです。

リンは肉の種類や部位によっても変化する

また「肉類」といった大きなグループの中でも部位によってリンの量は違ってきます。

脂身の多い部位の方がリンの量は少なくなります。

そのため食べる量そのものだけでなく、どの部位(どの種類)を食べるかということでリンをコントロールしていくことになります。

書店の健康・食事療法関連のコーナーに食品中のリンの含有量が書かれた本がありますのでチェックしてみてください。


さて、次回はこれまでのまとめや補足と具体的な献立の紹介をしたいと思います。

それでは最終回もよろしくお願いします。 

この記事の著者

かかりつけ管理栄養士

中野照規様

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