前回の介助方法の立ち上がり①では、立ち上がりの介助方法を順にご紹介していきました。
立ち上がりの介助方法は、相手の体の状態によって合うやり方が少しずつ異なります。そのため、色々な介助方法を知っておけると良いです。
今回は、前回説明した以外の立ち上がりの介助方法について書いて行きます。
物を使っての立ち上がり介助
この方法は、特に相手の方の身長が高い時や、協力をしてもらいたい時に使いやすいです。
私の身長は155cm程で、腕の力もあまりないので、相手の方の身長が高いとふらつきを抑えきれない恐れがあります。
そんな時、何か相手の方が摑んでおけるテーブルや手すりがあると、安全性がグンとアップします。
どこか摑んでおいてもらえる物があると、腰や肩など、他の場所を支える余裕ができます。
物を摑むというやり方上、目の前から介助するには距離が離れて少しやり辛くなります。そのため、横や斜めから介助を加えていきます。
右手と左手で別の場所を介助しながらの立ち上がり介助
前回の立ち上がりの記事では、介助者の両手は同じ場所を介助していましたが、それは全ての方に使える方法ではありません。
その人の状態の応じて、介助する部分は変えていく必要があります。
ここでは、右手と左手で別の場所を介助する場合の介助例を挙げます。
上の図は、座っている時に体が左に傾く場合です。
このような方の中には、立つと左側にふらつく事があるので、事前に左のわきから体を支えられるようにしておきます。
この他の場合でも、例えば相手が体の左側に力が入りやすい場合でも上記のようなやり方で介助をします。
その時には、左側は力が入るのでほとんど介助せず、右側を中心に支えてあげるようにします。
立ち上がる時の膝折れ対策
立ち上がっている最中に膝が折れる時、私は内心「ドキッ」っとします。
何故かというと、そのまま膝が折れていったら倒れてしまう恐れがあるからです。
立ち上がりは、安定している【座っている姿勢】から不安定な【立つ姿勢】に移り変わる動きです。
立ち上がりは、場合によっては体がふらついたり倒れそうになる危うい可能性を秘めた動きです。
座っている時はバランス良く座れていても、立った途端に体が一気に崩れそうになってしまう方は沢山いるのです。
そんな立ち上がりの介助では、いつどこで膝が折れても転倒しないような工夫を未然にしておく事が大切です。
具体的には、相手の膝が崩れない様に介助者側の足でガードしておいたり、相手がいつ膝が折れても支えられるように相手の体をしっかりとつかんでおく…などです。
膝を押さえる時の注意点は、膝のお皿は押さえないようにする事です。人によってはとても痛い場所だからです。
オススメの場所は【相手の膝下から少し外側】を、【自分の膝下から少し内側】でガードする方法です。
立ちあがりは、相手が自分で力を発揮出来る機会でもあります。
介助場面では、相手が自分の力で出来る事はなるべくしてもらい、相手が出来ない分をこちらで補ってあげるように意識する事が大切です。
相手の方にどのように介助をすると、楽かつ姿勢よく立てるのか、また、どのような環境であれば自信を持って立てるようになるのか…。
そんな事を考えながら毎日立ち上がりの介助をしていましたが、その人にあった介助方法は本当に人それぞれです。
この人には絶対これ!というものはありませんが、何かの参考になれば幸いです。
こちらは、介助方法についてのまとめページです。
ご興味があれば、ぜひご覧ください!