家族が入院して、病院でリハビリを受ける事になった…
そこでふと感じた事の1つに、リハビリはどれくらい続けられるのかという疑問はありませんでしたか?
リハビリを受けられる期間は、恐らく入院時に説明を受けるとは思いますが、忘れてしまう事もあると思います。
本日は、リハビリを受けられる期間はどれくらいあるのかを説明していきたいと思います。
怪我や病気の種類によって異なるリハビリ期限
病気や怪我をした際に、その種類によってリハビリを受けられる期間は国で決められています。その決められた期間は標準算定日数と言います。
期間は、脳卒中の場合は180日、骨折の場合は150日です。その間は、1日最大2時間のリハビリを受ける事が出来ます。
この他にも、呼吸系の病気であれば90日、心臓の病気であれば150日と、リハビリを受ける事が出来る期間は病気によって様々です。
これは、病気によって回復にかかると想定される期間が異なるためです。
標準算定日数はいつから数えるのかというと、その病気を診断された日または、手術をしている場合には、その手術日となります。
例を挙げると、股関節の骨折をして手術をした場合には、手術を行った日を開始日とします。
先ほど、脳卒中と股関節を骨折した場合などのリハビリが出来る日数を書きましたが、その期間必ずリハビリを受けなくてはいけない訳ではありません。
目標とする所(自宅復帰や社会復帰など、本人の状態とご本人・ご家族の希望をふまえて主治医がゴールと見据えた所)まで回復したと主治医が判断すれば、退院の運びとなっていきます。
また、病気や怪我が軽傷で、既に元の生活に戻れる状態であれば、リハビリは受けない方もいます。
集中的なリハビリが不要で経過を見る程度の状態であれば、早くに退院して、自宅から通いながら医療保険での外来リハビリを受ける方もいます。
回復期病棟でリハビリを受ける事が出来る期間はどれくらい?
回復期病棟へ入院した場合には、リハビリを受ける事の出来る時間が最大3時間とさらに長くなります。
これは、病気や怪我を経て心身の回復しやすい期間に集中的にリハビリを受ける事で、早く元の生活や社会に復帰出来るようにするためです。
病気により回復に要する期間の目安は異なるため、病気によって回復期でリハビリを受けられる期間は異なります。
例えば、
・脳卒中であれば150日(病状によっては180日)
・股関節や背骨などの骨折の場合は90日
・神経や筋または靭帯等の損傷であれば60日
と、怪我や病気によって定められています。
回復期病棟へ入院するには2点条件あり
1点目:回復期へ入院するために定められている病気や怪我である事
例を挙げると、足首や手首を骨折した場合には、回復期病棟へ入院する事が出来ません。そのため、リハビリ出来る時間は多くて2時間に制限されます。
例外として、2つ以上の場所を骨折した場合には、回復期病棟へ入院することが可能です。(例:手首と足首両方を骨折した場合
2点目:急性期の病院へ入院してから一定期間内の転院が必要
こちらは、病気や怪我の種類によってその期間が異なります。
例えば、脳卒中や股関節の骨折であれば、急性期へ入院してから(厳密には標準算定日から)2ヶ月以内に回復期の病棟への転院が必要です。
股関節や膝関節の人工置換術を受けた場合にはこれが1ヶ月以内になります。この期間内に転院できなければ、回復期の病棟へ入院する事は出来ません。
期限を迎えたらリハビリは出来なくなってしまうの?
急性期または回復期の病院を退院しても、標準算定日数内であれば、1日最大2時間のリハビリを受ける事は出来ます。(リハビリを提供してくれる医療機関を探す必要はあります)
加えて、平成30年度の医療保険の診療報酬の改定で、回復期病棟から退院した日から3ヶ月間は、リハビリが必要と判断されれば、一日2時間まで外来のリハビリ(医療保険)を受ける事が可能になりました。
その他、回復期病棟の入院期限を迎えてもまだ自宅に帰る事が難しい状態の場合には、病院と自宅の中間施設に位置する介護老人保健施設へ転院して、継続したリハビリを受ける事が可能です。(3ヶ月〜6ヶ月)
この他の場合には、標準算定日数を超えてしまうと、医療保険で受けられるリハビリの時間は極端に少なくなります。(難病や先天性のご病気等は除きます)
現在の状況としては、集中的な医療保険でのリハビリを終えたら、速やかに介護保険のリハビリへ移行するという流れになってきています。
医療保険下のリハビリを利用する事は難しくなりますが、病院を退院してからは必要であれば介護保険下で利用出来るリハビリを受ける事ができます。
訪問リハビリや、介護老人保健施設で受けられる通所サービス(デイケア)のリハビリがこれにあたります。
医療保険、介護保険下以外のリハビリがないわけではありません。自費にはなってしまいますが、退院後の患者様を対象としたクリニックは沢山あります。
気になる際は、ご病気と病状とそれを対象としているクリニックが提供してくれるサービス内容を照らし合わせながら調べてみると良いと思います。