怪我や病気が原因で入院したけど、家でするような動きは大分クリア出来たわ…。早く退院しなくちゃ。
家の中は伝って歩けるし、台を使えば床からも立てる…
お掃除はお手伝いさんにやってもらって、食事は家族に作ってもらえることになったわ。
あ、でも家に帰った時にまだ鬼門が残ってたような…
それだ、階段できなくちゃ…
階段昇降は、自宅内や外で行う動きの中でも難易度が高い動きです。
特に、昇る瞬間・降りる瞬間には腰が引けたり膝が崩れそうになってしまったりとヒヤヒヤしたりもします。
本日は、階段の昇り降りのやり方にはどんなやり方があるのかをお伝えしていきたいと思います。
階段の昇り降りは大きく分けて2パターン
普段はあまり意識しない部分ですが、階段の昇り降りには大きく分けて2パターンあります。
階段昇り降りパターンその①:1足1段(いっそくいちだん)
「1つの段に乗る足が1つの足」の場合を1足1段といいます。
怪我や麻痺等がなく両側の足にふんばりが利く場合はこのやり方で昇り降りする事が多いです。
多くの方が昇り降りする方法といえます。
階段昇り降りパターンその②:2足1段(にそくいちだん)
「1つの段に乗る足は2つの足」の場合を2足1段といいます。
登る場合には後から登る方の足、降りる場合には、始めに降りる方の足をかばう事ができる方法です。
片足を怪我した事で痛みや筋力低下によって踏ん張りが利かない時は、知らず知らずのうちにこのように昇り降りしてしまう事もあります。
手すりを使った階段の昇り降り
階段(段差)での手すりを使った昇り降りには色々なパターンのやり方があります。
それでは、1つずつ説明していきます
手すりを使って前から昇り降り
手すりを使った一番ノーマルな昇り降り方法といえます。
やり方は1.のイラストの通りです。
1本の手すりを両手で持って昇り降り
手すりが片側しかないけど、片手で持つには心もとない…という方はいらっしゃいませんか?
手すりを両側につけると、階段の横幅が狭くなってしまうので、現実的には両側に付けられない事が多々あります。
そのような場合には、1本の手すりを斜め・もしくは横向きで昇り降りする事によって、両手で持つ事が可能になります。
極端に手すりに頼らなければならない方の場合には、手すりの位置を低めに設定しなければ、体重がかけにくかったりします。
階段を後ろから降りるやり方
「昇る時は前からだけど、降りる時は後ろから降りてました。」という方法をとる方がたまにいらっしゃいます。
前側から降りる時と比べて後ろ向きで降りると、膝や足首の動きが少なく済み、結果的に膝への負担を減らす事が出来ます。
もっとも、後ろからでは降りる先の状況を見ることが出来ないので、慣れた環境でないと難しい部分はあります。
しかし、足が不自由な方の場合には逆にこの方法じゃないと膝が痛くて降りられないという方もいます。
杖を使っている時の階段はどうするの?
杖を使って階段を昇り降りする場合には、杖を最初に出す事を意識して使うようにしましょう。
尚、階段に手すりが付いている場合には、手すりを使って昇り降りした方が安全です。
(その場合は杖は反対の手か手すりと親指の間に挟みながら持っておきます。)
杖を使って階段を昇る方法
杖を1段上につける
踏ん張りがききやすい足から段に乗せる
反対側の足も乗せる
杖を使って階段を降りる方法①
杖を1段下におろす
踏ん張りがきき辛い足から降ろす
反対側の足も降ろす
ここで注意点があります。降りる時に杖を使うのは現実的にはすこし使い辛い上に怖かったりします。
理由は、杖は平地での姿勢に合わせて長さを決めているので、段差を降りる時に杖を先に降ろして使うには低過ぎるのです。
低いので、先に杖を降ろしてから杖に頼ろうとすると、かなり前かがみなってしまいます。極力手すりを使いたいものです。
杖を使って階段を降りる方法②
踏ん張りがきき辛い足から降ろす
反対の足を降ろす
杖を降ろす
個人的には階段を下りる時にオススメなのはこのやり方です。
足から降ろしていく事によって前かがみを抑えることが出来ます。
杖は両足が下の段にしっかり着くまで動かさずにいられるので安心感があります。
その代わりの欠点は、足が先に降りる事で杖が高い状態となり、杖に体重をかけにくくなります。
そのため、杖に結構頼りながら歩いているという方の場合にはオススメできません。
「階段の昇り降り」について分かりやすい説明とイラストを探して、ここにたどり着きました。ある団体で介助に関する講習会を行うために、ここにある説明とイラストを引用させていただきました。出来る限り、著作権法に基づいて「ホームムページ名称、アドレス、画像引用」の旨を提示させていただきました。ただ感謝しかありません。
一つ訂正していただきたいイラストがあります。「杖を使って階段を降りる方法②」において、説明文とイラスト内表記が食い違っている件です。イラストでは、「杖→弱い方の足→反対の足」となっています。訂正のほどよろしくお願いいたします。