前回、寝返りの介助方法についての投稿をしました。
寝返りは出来ても、ベッドから起き上がる事が出来ない方はいらっしゃいませんか?今回のお題は、「起き上がり」です。
起き上がりとは、ベッドから体を起こすための動きです。ベッドから起きてトイレへいく時、何か飲み物を飲もうとしている時など…日常的に行う動きの一つです。
起き上がりは、寝返りと比べて難易度が高くなります。寝返りよりも起き上がりの方が必要な力が多く、体の動かし方も複雑です。
本日は、起き上がりが難しい場合の介助方法・相手の力の引き出すポイントから、なぜ起き上がるのは大変なのかという理由を説明していきます。
起き上がりの介助方法
起き上がりでは、体の柔軟性や筋力・スピード等が必要です。
ですが、起き上がりが難しい時に、実際にその原因を把握し、直していくという過程はとても難しいです。
そのためここでは、実際に起き上がりが難しい時に出来る対策について書いて行きます。
具体的には、相手が起き上がれない時にどのように介助をしたら良いのか、またどうしたら相手の力を引き出しやすくなるのかといったものです。
尚、以下にお伝えするやり方は、「起き上がりが難しい状態からいかにして起き上がるか」ということを焦点にして書いています。
本来の起き上がりの動きからは若干離れていますので、予めご了承下さい。
以下起き上がりの介助方法の流れをまとめていきます。
寝返える
寝返りの介助方法についてはこちらをご参照下さい。
両足をベッドの外に出す
腕の位置を調整する
下の方(おへそ)を見てもらう
肘(☆)に体重を掛けるように体を起こしていく
次は斜め上を向いてもらう
手首(☆の)の方へ体重を掛けるように体を持ち上げてきてもらう
場面別:起き上がりが難しい時の対処法
例1)体の位置や動かし方がわからない
・起き上がりの介助方法の流れを参考にやり方を1つずつ伝える
起き上がりはやり方がやや複雑のため、意識的に行うと逆に混乱を招く事もあります。
難しい場合には、動きを1つ1つゆっくり伝えながらやってみてください。
例2)力が足りない
・手すりを使う
手すりを摑んで引き寄せる事で、体の筋力や推進力を補う事ができます。
・ベッドの頭を挙げてみる
頭や状態を挙げる事が難しい場合には、試してみる価値ありです。ベッドの操作も自力でできる場合には、介助量はグンと減ります。
・体を支えながらやってみてもらう
体や頭をこちらで支える事で体が軽くなり、動きが可能となる事もあります。
例3)どうしても難しい時
・起き上がり方を変えてみる
姿勢が左右対象でない場合や背中が丸かったり沿っている時など、人によって逆に上記のやり方では起き上がれない場合もあります。
難しい場合には、他のやり方も試してみましょう。
具体的には、反対側から起き上がってみたり、前から起き上がったりしてみましょう。
どうして起き上がるのは大変なの?
起き上がり方は人それぞれで、寝返りの流れで横向きから起き上がる人もいれば、前から起き上がったり、膝を抱えて体を振り子の様にして勢い良く起き上がる人もいます。
今回の記事では、主に動きとして効率的である起き上がり方=寝返りの流れから横向きで起き上がるやり方について触れました。
そして、起き上がる動きは寝返る動きより難しいと冒頭で書かせて頂きました。
その理由は、起き上がりでは体を捻るという動きだけでなく、曲げる動きであったり、上体を上へ持ち上げていくための力も必要なためです。
通常は、寝返る動きから起き上がりへ動きが連続して繋がっていきます。起き上がりでは、寝返る途中から、動きの軌道が変化し、前かつ上へ体の重心が移動していきます。
ここで、ご高齢な方や体が固い方に見られる動きの一つとして、寝返ってから横向きのまま止まってしまう事が多々があります。
この時、動きが止まった状態になってしまうと、それまで寝返りで得られた推進力が使えなくなり、そこから起き上がるのは余計に大変になってしまうのです。
横向きで寝ている状態の際には、仰向けで寝ている時と比較してベッドと接する面積が狭くなる事で安定性も低く、そこから上に体を持ち上げるのがますます大変です。
起き上がりをスムーズに行うには、肩・体・腰回りの筋力だけでなく、肩・体の柔らかさや動きのスピードも必要です。
そのため、加齢や病気・怪我によって起き上がりが難しくなってしまう方はとても多いのです。
起き上がれない方がいましたら、暖かく見守り、優しくサポートして頂けたらと思います。
こちらは、介助方法についてのまとめページです。
ご興味があれば、ぜひご覧ください!