外出でおばあさまが歩いたり、買い物に使う事が多い『押し車』その押し車には、大きく分けて2種類のタイプがあります。
それは、歩行車・シルバーカーです。
これまで歩行器について投稿してきた物の中で、シルバーカーや歩行車について、何度か触れた事があります。
イメージしやすい様に、あえて歩行車は『押し車』と称して記載をしていましたが厳密には名前が異なります。
そして、シルバーカーも使っている時の見た目は『押し車』なため、もしかしたら誤解が生まれやすいかもしれません。
そのため、本日は、シルバーカーと歩行車の違いについてお伝えしていきます。
シルバーカーって何?
シルバーカーは、歩く事が出来る方が、カゴに物を入れて運ぶのに使ったり、歩いている途中に付属の椅子で休憩するために使う移動道具です。
ショッピングカートと呼ばれることもあります。
歩行車と見た目は似ていますが、歩く事が不安定な方が使う用に作られていません。
福祉用具ではなく、共用品に入ります。(共用品については3.にて後述します。)
形を見ていきましょう。
シルバーカーの多くは細身のシルエットで、後ろの車輪とカバンの位置が近くなっています。
そして、持ち手であるハンドル部分も、後ろの車輪のほぼ直線上に位置します。ここに若干注意が必要です。
持ち手と後ろの車輪が近い状態だと、持ち手から体重をかけた際に、シルバーカーの後ろに重さが偏ってしまう事で簡単に傾きます。
つまり、歩く事が不安定な方がこのシルバーカーに頼って歩こうとしてしまうと、シルバーカーごと倒れてしまう危険があるのです。
あくまでも、買い物カートや休憩用として使いましょう。
シルバーカーは、歩行車と比べ値段が安価ですが、介護保険対象でないものが多く、自費での購入となります。
歩行車って何?
歩行車は福祉用具に入ります。
外でおばあさまが押しているしっかりした感じの押し車によく見られます。
ブレーキや買い物カゴ、途中で疲れても腰掛けられる椅子がついているものもあり、実用性に優れています。
持ち手と持ち手の間・車輪と車輪の間・持ち手と車輪の間隔が、シルバーカーと比べると広くなっています。
そのため、歩行器にある程度頼っても、しっかり支えられる様に設計されています。
歩行車のタイプにもよるのですがが、ハンドルにブレーキやロック機能が搭載されている物が多いです。
シルバーカーと歩行車の違い
シルバーカーと歩行車と異なる点は、大きく2つあります。
シルバーカーと歩行車の違いその①:役割
シルバーカーは歩ける方が外出や買い物の補助として使う。歩行車は歩く事が不安定な方に対して、歩く時の安定性を高めてくれる。
シルバーカーと歩行車の違いその②:福祉用具と共用品
歩行車は福祉用具である事に対して、シルバーカーは共用品である
そのため、シルバーカーのほとんどは介護保険は適応されず、自費での購入となります。
そして、歩行車は介護保険を利用する事が可能で、レンタルする事が出来ます。
福祉用具について解説した投稿についてはこちらをご覧下さい。
共用品とは何か?
共用品とは、福祉用具と一般商品の間の様な立ち位置にあります。
英語では、アクセシブルデザインとも言います。
アクセシブルデザインには、全ての人が使える(現実的には難しい)という意味ではなく、より多くの人がより使いやすいという意味が込められているそうです。
高齢の方や障害を持つ方が使いやすい様に、配慮しつつ、形状者も使いやすい様にする事が目的です。
お馴染みなものは、リンスとシャンプーを区別するための、シャンプーの頭部分についたギザギザがそうです。
シルバーカーだけでなく、ノンステップバスや音で数値を教えてくれる体重計や、片手でワンプッシュで使えるウェットティッシュもこれに当たります。
また、図の柏餅に関してですが、こちらも共用品にあたる様です。
柏餅の中の餡が味噌なら葉脈が見える方を表にし、柏餅の餡がこし餡なら葉の表面が見える様にするのだそうです。
・共用品は、福祉用具を基に設計された製品であり、
・一般製品を使いやすく設計し直した製品であり、
・最初から多くの方が使いやすい様に設計されている製品です。
暖かい製品ですね。
今回共用品について参考にしたわかりやすいサイトを貼り付けておきます。きになる方は是非ご覧ください。
私たちが日常的に使っているものの中にも、共用品として造られているものが沢山あるかもしれませんね。
ぜひ、探してみてください。
「共用品」という概念をわかりやすく知ることが出来ました。