こんにちは。
先日、乗り移りの介助をする前に出来る準備について解説しました。
介護:移乗(乗り移り)は準備が大切!明日から出来る前準備5つ
続いて本日は、乗り移りの介助のやり方を説明していきます。
やり方は、乗り移る時の姿勢と介助量に分けて大きく4通りを上げてみました。
乗り移りは、介助者・相手の方の状態や身長によっても合うものが変わってくるので、今回お伝えするやり方が全ての方に合うわけではありません。
後半では、乗り移りの介助を行う際のポイントについても触れていきます。
介護現場でよく言われるシンプルな内容ではありますが、こちらを意識しているかによって介助の質が大きく変わってきますので是非ご覧下さい。
乗り移りの介助のやり方の参考の一つとなったら幸いです。
移乗(乗り移り)の介助のやり方4選
1選目:手を介助した乗り移りの介助方法
手の介助を行うケースは、
「自分の力で立って歩ける、しかし、どう動いていいかわからなかったり、不安になってしまう」
「何か摑むものがあれば、ふらついても自分で体勢を戻す事ができる」ような方の場合などです。
あくまでも、自分の体を自分の力で支える事が出来る、介助量が軽い方向けです。
逆に、相手の方がご自分の足に踏ん張りが利きにくい場合には、手のみの介助は避けた方が良いと思います。
2選目:脇(わき)を介助した乗り移りの介助方法①
手介助と比べ、脇の介助では相手の方を結構支える事が出来ます。
注意点は、相手の方の膝がよく崩れてしまう場合には、脇の介助ではきついと思います。
※脇を支えている状態で膝崩れを抑えるためには介助者の結構な腕力が必要です。
3選目:脇を介助した乗り移りの介助方法②
立ち上がる際は、いかにお辞儀を促せるかが大切です。
立ち上がりの介助方法についての詳しい内容はこちらをご参照下さい。
両脇をしっかり支えたら、肩から腕はあまり動かさないようにしましょう。
介助者は引いた方の足に体重をかけて行く事により、自分の体重移動を利用して相手の腰が上がりやすくなります。
体重移動のついてはこちらの解説しているのでご参照下さい。
捻るのは腰ではなく、股関節です。股関節を捻りについての詳細はこちらをご覧下さい。
2選目の介助方法と似ていると思いますが、こちらの場合は、立つ姿勢を経由しなくても行える所が利点です。
車椅子に引っかからない程度に相手の腰が上がったら、その高さのままベッドへ移します。
体をまっすぐ保つのに介助が結構必要な場合や、立った状態では足踏みができないような方に適しています。
足踏みを行わない分、乗り移る介助の前の準備がかなり大事になってきます。
足の位置を誤ると相手の方の足が絡まったり車椅子等にぶつかってしまうリスクが高くなります。気をつけましょう。
4選目:お尻を介助した乗り移りの介助方法
続いては、立つ姿勢をキープする事が難しかったり、体を真っすぐ起こすには介助量が多い場合に使う方法です。
上述した2つのやり方と事なり、介助者は自分の姿勢を低く保ったまま介助していきます。
そのため、腰を曲げてしまったり、反って行おうとすると腰に負担となりますので、気をつけましょう。
介助においては体の幹をしっかり保つ事が大切になります。
腰を痛めない体の使い方についてはこちらをご覧下さい。
動きの行程上、車椅子からベッドへ移る間の地面を経由する際、隙間に落ちてしまわないよう注意が必要です。
腰を落とすのではなく、屈めてしまうと腰痛の原因となってしまうのでご注意を。
相手の方には、移る先の手すりやベッド、車椅子の肘掛など、持てるところを持っておいてもらうのも良いでしょう。
相手の方が膝が崩れやすかったり腰が抜けやすい場合には、お尻から介助すると支えやすい事もあります。
身長によるのですが、介助者に対して相手の方の身長が同じ位の場合にはやりやすい介助方法です。
乗り移り(移乗)を介助する時のポイント
乗り移る時のポイント①:可能な範囲でしっかり立つようにする。
本来は体を起こせる方が、体を屈めた姿勢のままで移ろうとすると、使う筋肉のバランスが偏りやすくなります。
乗り移る時のポイント②:左右の足に交互に体重を掛けるようにする。
ここで、少し歩く時の重心の動きについて話していきます。
足踏みをしようとする時、片足を地面から持ち上げるには、反対側の足に体重を乗せる必要があります。
両側の足に体重が乗った状態では、どちらの足もあげる事が難しくなります。
例えば、立った状態で、体の右側を壁に当ててみて下さい。
そして、その状態で左足を持ち上げて見てください。
「ん?あがらないな?」と感じた方が多いのではないのでしょうか?
左足を持ち上る時は知らず知らずのうちに反対側の方向に私達は体を傾けているのです。
これと同じように、乗り移り介助する時にも、この重心の移動を意識してあげると良いでしょう。
やり方は、相手の方が足を上げようとする時に、持ち上げる方の反対側の足に体重を寄せてあげます。
すると、相手の方が足を上げやすくなります。
乗り移る時のポイント③: お尻が浮くまでしっかり前に体重をかける
腰を上げる時、両足にしっかり体重が乗ってから上がるようにしましょう。
体重が両足に乗っていない状態で腰をあげようとすると、そのまま後ろに倒れやすくなってしまいます。
座って乗り移る時のポイント④ ベッド(車椅子)へしっかり座れるまで気を抜かないように…
乗り移っている途中で「ベッドに移れた、良かった(っほ」と突然体の力が抜けている方もいますし、移れたと思ったベッドから、お尻が半分落ちてる方もいます。
移る先の場所にしっかり両方のお尻が着くまで支援するようにしましょう。
以上が、乗り移りの介助のやり方の4選でした。
相手の方の体重や介助量が重い場合には、介助をするには介助者への負担が多すぎる事もあります。
乗り移りを手伝ってくれる福祉用具を利用するのも選択肢の一つとして考えた方がいい場合もあります。
次回は、乗り移りをするための福祉用具にはどのようなものがあるのか書いていきたいと思います。
それでは、本日も長文をご覧頂きありがとうございました!
こちらは、介助方法についてのまとめページです。
ご興味があれば、ぜひご覧ください!