…そもそも福祉用具ってなに?
利用までの手続きは?
どんな種類があるの…?
レンタルが出来たり出来なかったり…介護保険が使えたり使えなかったりするの?
福祉用具はある時突然必要になる場合が多いけど、わからない事だらけ…
私個人の希望としては、福祉用具を購入する時は、出来れば実際に色々な種類を見て、使ってみてから購入したいです。
ですが、福祉用具の展示場はあまりないので、中々そのような機会はありません。
そのため、私自身、福祉用具が沢山展示してある場所がないかなーと探していたのですが、先日とうとうそのような展示場へ行く事が出来ました。
その場所は、
社会福祉法人 埼玉県社会福祉協議会 より委託を受けて運営されている
「介護すまいる館」でした。
こちらでは、福祉用具とユニバーサルデザイン商品などが約1200点展示されています。
実際に行ってみるととても楽しく、福祉用具を検討されていらっしゃる方がいましたら是非オススメしたい場所です。
本日は、介護すまいる館はどんな場所なのか?そしてどんな商品が展示されているのかをご紹介していきたいと思います。
介護すまいる館とは?〜福祉用具の購入に迷ったら、介護すまいる館へ
介護すまいる館では、福祉用具の情報提供や展示・販売をしています。
福祉用具やユニバーサルデザイン商品を約1200点も展示されているので、かなり見応えがあります。
福祉用具のパフレットで見た事のある、この商品やあの商品…実際に見てみる事で構造や機能を体感することができるので、理解が深まります。
福祉用具は、利用する場面によって色々な種類があります。
例えば、お風呂で使う肘掛いすや浴槽へまたぎやすくするバスボードは入浴用品で、押し車や杖は移動関連用品です。
そして、用途によって分かれている福祉用具は、そこからさらにメーカーや機能によっても種類が色々あります。
福祉用具は、スーパーや百貨店の介護用品売り場にも多少は展示されているのですが、結構数や種類が限られています。
そのため、購入する側としては、どんなものがあって、どういう種類や違いがあるのかは中々わかりづらいのが現状です。
特に利用するのに勇気がいるのが福祉用具の中の入浴用品です。
入浴関連の商品は、レンタルできないものが多く購入しなくてはならないためです。
購入した後に、「あれ、やっぱり合わなかった」なんて事があったらどうしよう…と不安になってしまいますよね。
「合わなかったら、他の福祉用具を購入すれば良いか…?」と思ってしまいそうですが、実際にはそれは出来ません。
原則として、介護保険が適応されるのは、一種類の福祉用具で一つのみと決まっているからです。(※)
例を挙げると、
「介護保険を使ってAタイプのシャワーチェア(浴室で使用する肘掛や背もたれがついた福祉用具)を買ったけど、合わなかったから、介護保険を使ってBタイプのシャワーチェアも買いたい」
というのは出来ません。(自費になってしまいます。)
そんな事を考えてしまうと、購入を躊躇してしまいますよね。
そんな不安を払拭してくれる、介護すまいる館はそんな場所だと感じました。
こちらでは、多くの福祉用具や商品を試しに使ったり触ったりする事ができるからです。
それぞれの商品の使い方や選び方、そしてその商品に介護保険が適応されるのか否かなど…
気になるけど、よくわからない事は専門の相談員の方がわかりやすく丁寧に説明して下さいます。
1日では見きれない!福祉用具が沢山展示されている介護すまいる館の中をご紹介!
それでは、ここから、利用用途によってどんな製品が展示されているのかを、実際に撮った写真を貼りながらご紹介していきます!
移動道具コーナー
まずは、入り口へ入って最初に見えるのは色々な種類の車いすや押し車です。
歩行車・サイドカー・シルバーカー・車いすが並んでいます。
私が乗っていて衝撃を受けたのが、下の図のWHILL Model CKという電動車椅子です。車輪がすごく特徴的ですね。本当の車の様な車輪です。
前側の車輪をよく見てみて下さい。車輪自体がいくつも区分けされています。
これ、実はこの区分けされている一つ一つが「車輪」なのです。
この一つ一つの車輪がそれぞれ横に動く事ができるので、横方向への動きが可能となり、小さなスペースでも小回りがききます。
どれくらいのスペースで出来るのかというと、一般的な電動車椅子が回転できる最小の半径が145cmとすると、こちらのWHILL Model CKは半径75cmで小回りする事ができます。
参考 Whillの次世代型電動車椅子 Whill Model CWHILL
杖コーナー
杖だけでこんなに種類があります。一度では試しきれないほど種類が豊富です。
メジャーな一本杖から、床に杖をついたときの感触が滑らかなもの、特殊な金属で出来ていてとても軽い杖まで、たくさんあります。
靴コーナー
一番下の黒い靴が良いな!と思ました。
moonstar のVステップ06です。理由が、マジックを外すと、靴のベラの部分も釣られて持ち上がるからです。
靴を履こうと足を入れたときに、どうしてもベラの部分も一緒に靴の奥へ入ってしまう方っていませんか?
ベラを戻す時って結構腰をかがめて手を靴の奥の方に伸ばして探れないと中々難しいんですよね…
そんな動きが難しい方に心強い靴だと思います。
こちらは足に装具を使う方にも考慮し作られているシューズです。
参考 Vステップ06 商品詳細 MoonStarMOONSTAR
食事用品コーナー
このピンクの箸、商品名は「ラックン箸」といいます。
表面がゴムで出来ていて、かつ先端に食べ物が引っかかりやすくなる様に溝があります。
小さな粒でも掴みやすいです。この箸を使って初めて食べ物を摘む事が出来た方もいらっしゃる様です。
入浴用品コーナー
入浴用品の多くは、レンタルが難しく、購入となる事が多いです。こちらでは、入浴関連のものが充実しています。
バスボードや手すりも使ってみる事ができます。
浴槽の奥に被さっている板は、バスボードと言います。
こちらはさらに、丸い回転盤がついているので、またぐ動き・体の向きを変える動きが難しい方でも浴槽へ移る事ができます。
使っている時のイメージがこちら↓
トイレ関連コーナー
今は、いろんなポータブルトイレがあるんですね…
ポータブルトイレは、使いたい場所に置いておけば使えますが、後で排泄物はご家族が処理しなくてはならないものが大変ですよね。
ここに展示されているポータブルトイレの中には、トイレが終わった後、スイッチを押すと排泄物が袋に密閉される機能を持つ物もありました。
トイレの中に設置できる袋状の給水シートも販売されています。
認知症対策用品
すみません、写真がこの商品のしか撮れていませんでしたが、この商品の他にも色々あります。
上の写真はGPSが内蔵された靴です。こちらの靴を履いていれば、もし介護がご家族が外へ一人で外出してしまった時、その方のいる場所を調べる事が出来ます。
出来れば付き添いたけど、知らぬ間に一人で外出してしまったらどうしよう…という不安を減らしてくれると思います。
参考 世界標準のGPS端末 trackimo世界標準のGPS、TRACKIMO(トラッキモ)
さいごに
今回、介護すまいる館を案内して下さったのは、福祉用具プランナー研修でこちらで勤務してらっしゃる福祉用具専門相談員の方とお会いできたのがきっかけです。
教科書を見るだけではわからない事や制度の事、それぞれの商品の魅力など…たくさん教えて頂き、ありがとうございます!
3月にここ介護すまいる館の商品は少し入れ替わるそうです。
また、是非お邪魔させて下さい!
こちらでは、学びのための団体見学や、高齢者疑似体験用具の貸し出し等も行って下さります。
福祉用具やユニバーサルデザイン商品が気になるかたは、是非足を運んでみて下さいね。
きっと楽しい時間になると思います。
参考 介護すまいる館福祉・介護用品の総合展示館 介護すまいる館 社会福祉法人 埼玉社会福祉協議会