脳卒中や肩の骨折後など、病気や怪我が原因で、上着を着る事が大変になる事があります。
上着を着るときには、手首から肘〜肩、首にかけて沢山の関節の動きが伴うためです。
もちろん、動きにくいからといって過度に動かない様に過ごすのはあまり良くありません。
ですが、病気や怪我をして間もない時や、治療を得てもどうしても動きにくい場合は、なるべく体に負担を掛けずに脱ぎ着できる方法を覚えておけると便利です。
脱ぎ着のポイントは、着る時は動きにくい側から、脱ぐ時は動きやすい側からという事です。この順序はズボンの脱ぎ着のときに似ていたりします。
ズボンの着方について知りたい方は、こちらの投稿もご覧ください。
上着(前開きタイプ・被りシャツ)の着方
前開きタイプの上着を着る方法
・動きにくい、もしくは痛い方の腕から袖を通していく
・上着を背中から反対側へ渡す
・反対側の腕も通していく
被りシャツタイプの上着を着る方法
・まずは被りシャツを自分から見て裏向きに置く
・動きにくい、もしくは痛い方の腕から袖を通していく
・反対側の腕も通していく:出来るだけ、肩の方まで上げてこれると後が楽です
・動きやすい方の手で、襟口を掴む
・動きやすい方の手で、頭にかぶせていく
・胴体部分の被りシャツを下へ下ろしていく
上着(前開きタイプ・被りシャツ)の脱ぎ方
前開きタイプの上着を脱ぐ方法
・動きやすい方の手で、反対側の肩から襟を下げていく
・動きやすい方の肩の襟と、背中側も下げていく
・動きやすい方の袖を、お尻の下または両方の膝に挟み、腕を抜いていく
・動きやすい方の手で、反対側の上着をさらに下げていく
・動きやすい方の手で、反対側の腕も脱いでいく
被りシャツタイプの上着を脱ぐ方法
・被りシャツの胴体部分を上へ引き上げていく
・動きやすい方の手で、後ろから被りシャツをさらに上へ引き上げていく
・襟口が頭に引っかかりにくくするために、あごを引く
・襟口から頭を抜いていく
・動きやすい方の袖をお尻の下か両膝に挟んで、腕を抜いていく
・反対側の腕も脱ぎ終了
今回は、自力で上着を脱ぎ着するためのやり方の例をお伝えしました。
中には、上記のやり方では難しい方や、お手伝いが必要な方もいらっしゃると思います。
やり方自体は、片側の手が動きにくいことを仮定して作成したので、上記やり方は一つの例として参考にして頂ければと思います。
次回は、上着の脱ぎ着するための介助方法について書きたいと思いますので、是非次回もご覧ください。