どうも、こんばんは。
先日、介護場面においてよく行われる乗り移り(移乗)の介助方法や、乗り移り前にできる準備について説明しました。
介護:移乗(乗り移り)は準備が大切!明日から出来る前準備5つ
介助方法について書いたように、介助量が多い方の乗り移りを行うのは、介護者にとっても、介護をされる方にとっても、大きな負担やリスクとなる場合もあります。
もし家族が乗り移りに介助が必要となった時に、乗り移りを助けてくれる福祉用具にどんなものがあるのか?
本日はそんな福祉用具を7種類ご紹介していきます。
立った状態で乗り移るための福祉用具
ターンテーブル(回転板)
ベッドから車椅子などに乗り移る時に立ち上がる事は出来るけど、足踏みができない事から方向が変えられない方、いませんか?
そのような場合に、使えるものがターンテーブルです。
こちらは地面に置いて使用する、回転する円盤のようなものです。
乗り移ろうと立ち上がる前に、相手の足の下に予め置いておきます。
立ち上がった後は、円盤を回転する事によって回転した先へ乗り移る事ができます。
相手の方の立ち上がる力を引き出しつつ、乗り移る時の介助量を減らす事が出来ます。
参考 ターンテーブル L KZ-A52045PARAMOUNT BED
起立補助用具(ささえ手)
「ささえ手」は、先日アビリティーズ吉祥寺店へ行った際の投稿で紹介させて頂いた商品です。
海外製品多数『ABILITIES アビリティーズ 吉祥寺店』行ってきた!
足腰の力が弱り、立ち上がると膝が折れてしまって危ない…そんな時に使える福祉用具です。
使い方:要介助者の方が、「支え手」に寄りかかった状態で、介助者に前方へバーを引いてもらいます。
すると、体が持ち上っていきます。その状態でトイレや車椅子へ移す事が出来ます。
上へ持ち上げる際には、油圧がかかっているので、思ったより簡単に持ち上げる事が出来ます。
逆に降ろす時の方が重く感じますね。
尚、床が柔らかかったり絨毯が引いてあると動きにくいです。
移動する床は固く、段差がない必要があります。
また、使用する相手の方の体重、介助者が押す力によっても使いやすさが変わってくると思います。気になる方はまずは試してみましょう。
尚、しっかり支えられるようにするためのオプションとして、専用のスリングシートや補助ベルトも販売されています。
気になる方は公式サイトをご覧下さい。
参考 簡易型移乗リフト ささえ手アビリティーズ・ケアネット(株)
介助用ベルト
乗り移りを介助する時に、相手のどこを持って支えたら良いものか…なんて感じた事はありませんか?私はよくありました。
一番掴みやすいのは相手の方のズボンだったりもしますが、ズボンを持たれると不快に感じてしまう方がほとんどと思います。
介助を行う際に、相手の方をしっかり固定するにも、ガッチリ持てるような部分はあまりありません。
両側のおしりの坐骨(座っている時に体重がかかる場所)部分を支えられれば割とガッチリと支えられますが…結構難しいです。
そしてズボンやお尻をガッチリ持たれると、相手の方は少なからず不快な思いをさせる可能性があります。
介助用ベルトは、安心して掴む場所を提供してくれる、そんな福祉用具です。
これは、腰回りにつけるのですが、相手の方にも、介助者自身に付ける事も出来ます。
もし腰周りに介助者がつければ、要介護者の方がベルトを握る事が出来るので、お互いに安心感がアップするのです。
反対に、要介護者の腰に着ければ、介護者はそのベルトを握って支える事が出来るので、相手の方が不快を感じにくくなります。
介助をする時に手が滑ってしまわないか心配…もう少ししっかりと支えられたら…そんな心配がある時に安心ですね。
尚、こちらはあくまでも立ち上がりを補助するための福祉用具です。
全く立ち上がれない方をこのベルトで無理に立たせるための物ではありません。
商品例:幸和製作所 テイコブ移乗用介助ベルト
幸和製作所 テイコブ移乗用介助ベルト(AB31) 移動 移乗上の商品は私が実際に使った事がある介助ベルトですが、その時は患者さんの腰に着けて使いました。
感想は、使い方を覚えれば割とササッと着けらるのですが、実際に持ち上げようとした時に上にスポッと抜けないように、きつく締めるのに結構神経は使います。
商品例:幸和製作所 テイコブ楽々入浴用介助ベルト
幸和製作所 テイコブ楽々入浴用介助ベルト AB21こちらは、お風呂用の介助ベルトです。
座った状態で乗り移る時に使える福祉用具
トランスファーボード(スライディングボード)
立つことは難しいけど、一人で座っている事は出来る。
また、一人で座る事は出来なくても、何か掴まったり、軽い介助をしてもらえれば座っている事が出来る。
そんな方が利用できる福祉用具です。
こちらは、プラスチック製の固い板状の福祉用具です。
乗り移る前にこちらをお尻の半分に差し込み、乗り移る先へと橋渡しさせます。
移る時は、手すり等を使って一人で行う方もいれば、介助をしてもらい乗り移る方もいます。
この板が、橋渡しをしてくれるので、立ち上がる事なく乗り移りを可能にするのです。
商品例:イージーモーション Sタイプ MEMSQ
イージーモーション Sタイプ MEMSQ (モルテン) (車いす用小物)長方形のものや折れ目がついているものもあります。
折れ目は、乗り移る際の車輪の出っ張りをカバーしてくれます。
商品例:モルテン 移乗用ボード MEMV
モルテン 移乗用ボード(イージモーション) MEMVこちらはブーメランタイプのスライディングボードです。
上のものより横径が長く、乗り移る間がより広い場合にも対応します。
トランスファーシート(スライディングシート)
ベッド上で体の位置を変えるのにとても便利なスラディングシート、こちらは以前、ベッド上で動くための使い方を書きました。
トランスファーシートは、スライディングボードと同様に、座った状態で滑って乗り移るのに使う事ができます。
スラディングボードとの違いは、よく滑るので衣服を着ていなくても使えるという点です。
つまり、下着を履いていない状態でベッドからポータブルトイレへ移るのにも使えます。
商品例:トランスファーシートS
トランスファーシートS寝た状態から乗り移れる福祉用具
スライディングボード(イージーロール)
寝た状態で使うスライディングボードがありますが、使う際は人員が2人必要なので、主に病院や施設で使われる福祉用具だと思います。
こちらは、寝た姿勢でお風呂へ入る時や、寝た状態でどこかへ移動する時、つまりベッドからストレッチャー(担架)に移る時などに使えます。
私自身も以前使った事があるのですが、移動するのは回転するのはボードの周囲のシートなので、移される側は摩擦を感じる事なく移してもらう事ができます。
商品例:移乗ボード イージーロール45 7300-70
移乗ボード イージーロール45 7300-70リフト
乗り移りの介助をするには腰に負担がかかる…相手も怖がったり嫌がっている…。
座って乗り移る事も難しくなってくると、リフトの利用を検討する事も必要です。
リフトは、吊具(=スリング)で体を包んでベッドから車椅子やポータブルトイレなどへの乗り移りを可能にしてくれます。
シャワー椅子から浴槽の間の乗り移りを助けてくれるものもあります。
リフトを使えば、「持ち上げる」介助は不要となるため、大変腰に優しい福祉用具です。
使い方を覚えるまでは戸惑うこともあるとは思いますが、介護者・要介護者共に負担を軽減してくれます。
商品例:介護リフト つるべーBセット
介護リフト つるべー Bセット (ステンレスアーム)商品例:据置き型介護用リフト マキシスカイ440/イージートラックFS
こちらはアビリティーズ吉祥寺店にあった据置き型リフトです。結構動きがなめらかでしたよ。
参考 据置型介護リフト マキシスカイ440/イージートラックFSアビリティーズ・ケアネット(株)
さいごに
今回は乗り移りの介助量を楽にしてくれるような福祉用具を7種類紹介させて頂きました。
乗り移りの福祉用具について知る機会は中々ないので、どんなタイプのものがあるのか何となく知っておくだけでも良いと思います。
どれも費用がかかるものなで、まずは試してみる事をおすすめします。
気になるものがあれば、担当のケアマネージャーさんや商品を取り扱っている福祉用具事業所さんに相談してみましょう。
展示場で見てみるのも良いです。
埼玉の与野にある展示場の「介護すまいる館」は1200点程の商品が展示されており、試す事もできるのでオススメです。
【展示場】商品数1200点以上:福祉用具選びは『介護すまいる館』へ!